加東市消防団小隊別訓練

▲冷たい雨風が身を打つなか、ポンプ操作を行う消防団員たち

 文化財は、その地域に暮らす人々の「郷土愛」の源泉の一角を担っています。しかし、国内では、法隆寺金堂(奈良県)をはじめとする様々な文化財が火災により失われた歴史があり、最近では、首里城(沖縄県)が、焼失しました。このため、文化財保護に向けた消火能力の向上、また緊急時における小隊間の情報伝達力、および消防団員のポンプ操作技術の向上を目的に、加東市消防団により、播州清水寺付近において、消防団員約200人が参加する大規模な小隊別訓練が実施されました。

 訓練は、「播州清水寺付近の山林で発生した火災が、同寺本堂に到達する恐れ有り。」という想定。当日は、冷たい雨風に身を打たれながらも、参加した団員たちは、熱心に訓練に取り組んでいました。

 水利となる越道池から約4キロ、標高差約300メートルを、1台のポンプ車と24台の小型動カポンプをホースで結び、播州清水寺駐車場まで、送水しました。

 送水距離が長く、標高差も大きい状況においては、ポンプ自体の操作だけでなく、それぞれのポンプを操作する分団間の連携も重要です。「ポンプ水圧0.4まで上がりませんか?」等と、無線で細かに連絡を取り合う消防団員たちの姿からは、自主防災という使命のために、経験と知識を積み重ねてきた様子が垣間見えました。

 約200人の消防団員たちが繋げたホースは、水を届けただけでなく、各団員の使命感をさらに強く結びつけたようです。

(写真左)ホースを繋げる様子。闇夜にヘッドライトと、消防団員の技術が光る。
(写真右)播州清水寺の仁王門を背景に、勇ましく放水。